東北の熊

東北地方で熊の殺処分された熊の頭数が1900頭を超えたというニュースがあった。

私は近畿で育ち、今、岩手に仕事に来て二年が経つが、熊の生き物としてのとらえ方は全く違う。
そもそも近畿では熊が出るということが珍しいこともあるが、ほとんど全ての人が日常生活から遠い、野生動物としてとらえている。
それに対して岩手では、もちろん野生動物というとらえ方もあるが、近畿のそれと比べるとずいぶんと身近な存在である。そして、身近であるだけに、魚などと同様に、肉、としてとらえる感覚がかなりある。

肉としてとらえられる存在は他にもあり、ウサギや鳥、鹿や狸もその仲間である。

熊は食物連鎖のピラミッドの頂点にいる存在であり、必然的に数は少ない。
森へと続く道が整備され、誰もが山奥、かつてはほとんど野生動物の領域であった場所に行くようになった。
人間の行動範囲が広がっているのである。
そして、熊は肉という存在である、というとらえ方は昔と変わっていない。
そうすると人が山の中で遇う熊、すなわち肉、はどんどんと捕らえ、殺され、喰われていくのだろう。
このことは山菜についても言える。
都市部から人が来て、根こそぎ採っていく。それこそ業者が買い取る。
特に繁殖力の弱い山菜からどんどん種類が減っていく。

昔と違い、今はタンパク質摂取の方法は他にもある。
どんどんと穀物が肉へと変えられている世の中である。わざわざ殺さなくてもいいのではないか。

人里に出てくる熊が多くなっているとは、ブナの豊凶によるその年の状況にも左右されるだろうが、全体的に見てそうは思わない。なぜなら山奥に住む人の数は確実に減っている、過疎化が進行しているからだ。

狩猟というジャンルの趣味を楽しむ人は、それが身近だし、結構多い。
人というものは本気になれば海さえ埋め立てたり出来るのである。
そういった力を振りかざしすぎではないだろうか。

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